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転院搬送って何?救急患者連携搬送料の実態を知る

皆さんは、転院搬送という言葉を聞いたことがありますか?

転院搬送とは、急性期病院と回復期病院、3次救急から2次救急など、地域で病院が担う役割に合わせて、患者を医療機関間で搬送する仕組みのことです。

特に救急の現場では、救命救急センターなど高度な医療機関に搬送された患者のうち、実は入院後すぐに地域の病院でも十分対応できる状態だったというケースが少なくありません。こうした患者を早期に、日頃から連携している地域の病院へ移す「下り搬送」を診療報酬で評価する仕組みが「救急患者連携搬送料」です。

・2024年度に新設された背景

救急患者連携搬送料は2024年度の診療報酬改定で新設されました。背景にあるのは、3次救急医療機関(救命救急センターなど)の病床逼迫です。高齢者の救急搬送が増える中、いったん急性期病棟に入院すると安静臥床が続き、筋力・骨量の低下から要介護度の悪化や寝たきりにつながるリスクが指摘されてきました。そこで、重症度が高くない患者については、リハビリを積極的に行える地域の病院へ早期に転院搬送することを評価する点数が設けられたのです。

・現場では思うように普及せず

しかし、制度開始から時間が経っても、届出をしている医療機関は限定的でした。理由としては、搬送に同乗するスタッフの確保が難しいこと、自院や連携先が救急車を保有していないこと、受け入れ候補医療機関のリストを地域のメディカルコントロール協議会と協議して作成する要件のハードルが高いことなどが挙げられています。

・2026年度改定で見直しへ

こうした課題を踏まえ、2026年度の診療報酬改定では救急患者連携搬送料が大きく見直されました。ポイントは主に3つです。

搬送側の評価引き上げ:

救急自動車以外による搬送も対象に加えつつ、点数を1,800点から2,400点へ引き上げ

受入側の評価新設:

これまで評価されていなかった、患者を受け入れて入院させる側の医療機関に対し「救急患者連携搬送料2」を新設

長時間搬送への加算:

搬送に30分を超える時間を要した場合に700点を加算

これらの見直しは、搬送する側だけでなく受け入れる側にもメリットを設けることで、高次救急病院と地域病院の連携をより実効性のあるものにし、下り搬送の普及を後押しする狙いがあります。

高齢化が進む中で救急医療資源を効率的に配分するためにも、転院搬送という仕組みと、それを支える救急患者連携搬送料の動向は、今後も注目していく価値がありそうです。