留学前に準備すること3選
これまで「研究留学」「臨床留学:アメリカ」「臨床留学:ヨーロッパ」と、医者の海外留学についてさまざまなパターンを見てきました。ルートは違いますが、実は準備段階で共通して重要になるポイントがあります。今回は、留学の種類を問わず押さえておきたい「準備すること3選」をご紹介します。
① 語学力を「診療・研究で使えるレベル」まで引き上げる
留学の種類を問わず、最初の壁になるのが語学力です。日常会話レベルの英語では、実際の研究ディスカッションや診療現場でのコミュニケーションには不十分なケースがほとんどです。
研究留学:
論文の読み書きだけでなく、ラボでのディスカッションやプレゼンテーションで通用する英語力が求められます。
アメリカ臨床留学:
USMLEの英語問題への対応はもちろん、患者への説明や多職種カンファレンスでの発言力が問われます。
ヨーロッパ臨床留学:
英語圏以外(ドイツ・フランスなど)では、現地語の習得が事実上の必須条件になります。
② 渡航先の制度・資格要件を早期にリサーチする
研究留学・臨床留学いずれも、行き当たりばったりでは進められないのが「制度」の壁です。
研究留学:
受け入れ先のラボ探しに加え、留学資金(奨学金・医局からの支援など)の確保も早めの検討が必要です。
アメリカ臨床留学:
USMLE Step1・Step2CK、ECFMG Certification、レジデンシー・マッチングなど、決まった手順とスケジュールが存在します。
ヨーロッパ臨床留学:
国によってGMC登録やApprobationなど制度が異なるため、まず渡航先の国を一つに絞り、その国の制度を深く調べることが近道です。
制度は数年単位で変更されることもあるため、必ず最新の情報を確認しましょう。
③ 国内にいるうちからネットワークと実績を作っておく
留学の可否や留学先の質は、渡航前に築いた人脈や実績によって大きく左右されます。
推薦状・紹介の確保:
指導医や医局からの推薦状は、研究留学・レジデンシー留学のいずれにおいても選考の重要な要素です。
短期プログラムでの「お試し」経験:
オブザーバーシップやクラークシップ、短期の研究室訪問など、医学生のうちから参加できるプログラムを積極的に活用しておくと、本留学時の準備の解像度が大きく変わります。
学会発表・論文実績:
研究留学はもちろん、臨床留学においても、学会発表や論文執筆の実績は選考時の評価材料になります。
このように、「語学力」「制度理解」「ネットワークと実績」の3つを、留学を意識し始めた早い段階からコツコツ積み上げていくことが、留学を実現するための一番の近道です。まずは自分がどの留学スタイルに興味があるのかを見定め、そこから逆算して準備を始めてみましょう。